メタノール、エタノール、プロパノール・・・
アルコール類ですね
違いがあまりよくわかりません
似ていますが、全くの別物です
本記事はメタノール、エタノール、プロパノールの違いについてわかりやすくまとめた記事です。名前が似ていて、違いがよくわかりませんという方、アルコール類についてわかりやすい解説がほしいという方に最適な記事です。
この記事を読んで理解すると、メタノール、エタノール、プロパノールの違いについて数値で知ることができます。また、それらが異なる物質であることを学習することができます。
数値で見るメタノール、エタノール、プロパノールの性質
メタノール | エタノール | 1-プロパノール | 2-プロパノール | |
---|---|---|---|---|
化学式 | CH4O | C2H6O | C3H8O | C3H8O |
示性式 | CH3OH | CH3CH2OH | CH3CH2CH2OH | CH3CH(OH)CH3 |
モル質量(g/mol) | 32.0 | 46.1 | 60.1 | 60.1 |
密度(g/cm3) | 0.791 | 0.789 | 0.805 | 0.785 |
粘度(mPa・s) | No Data | 1.074(20℃) | 1.945(25℃) | 2.038(25℃) |
融点(℃) | -97.8 | -114.1 | -124.3 | -87.9 |
沸点(℃) | 65 | 79 | 97 | 82 |
引火点(℃) | 12 | 13 | 15 | 12 |
自然発火温度(℃) | 464 | 363 | 371 | 399 |
常温常圧での様子 | 無色透明液体 | 無色透明液体 | 無色透明液体 | 無色透明液体 |
【参考サイト】
厚生労働省 職場のあんぜんサイト
メタノールについてはこちら
エタノールについてはこちら
1-プロパノールについてはこちら
2-プロパノールについてはこちら
メタノールの性質と用途
メタノールの示性式はCH3OHで、メタンCH4の水素1つがヒドロキシ基OHに置換された構造をしています。炭素数1のアルコールで、アルコールランプに使用されることで有名です。化学実験では溶媒として頻繁に使用されているアルコールです。無色透明のさらさらとした液体ですが、人体には有毒ですので、取り扱いには注意が必要です。メタノールを酸化すると、ホルムアルデヒド HCOH、ギ酸 HCOOHへと変化します。
1952年、三菱ガス化学株式会社が日本で初めて天然ガスからメタノールを製造することに成功しました。その後、メタノールを原料として、繊維、プラスチック、塗料などの化成品が製造されるようになりました。現在では、燃料電池の原料としても使われているそうです。
【参考サイト】
三菱ガス化学株式会社ホームページ
メタノールについてはこちら
エタノールの性質と用途
エタノールの示性式はCH3CH2OHで、エタンCH3CH3の水素1つがヒドロキシ基OHに置換された構造をしています。炭素数2のアルコールで、お酒の主成分です。
化学実験ではメタノールと同様、溶媒として使用されます。小中学校では、蒸留分野で出てきます。水とエタノールの混合溶液を沸点の違いを利用して分けるといった内容でした。私の友人は実験室で、エタノールを液体窒素で冷やしてドロドロの状態にした後、寒剤として使用していました。
【参考サイト】
SCIENCE STUDY 中学理科 ポイントまとめと整理
水-エタノールの混合溶液の蒸留についてはこちら
らくらく理科教室
液体窒素でエタノールを凍らせる動画についてはこちら
エタノールには合成エタノールと発酵エタノールがあります。どちらも同じエタノールですが、原料や用途が異なります。合成エタノールはエチレンCH2=CH2を原料として製造され、塗料や薬品など食品以外に使用されます。一方、発酵エタノールは農作物を原料として製造され、食品や飲料に使用されます。人が口にするものですから、原料から安全を担保しているのだと思います。
エタノールを酸化すると、アセトアルデヒドCH3COH、酢酸CH3COOHへと変化します。
【参考サイト】
日本合成アルコール株式会社 HP
合成エタノールと発酵エタノールについてはこちら
プロパノールの性質と用途
プロパノールはプロパンC3H8の水素1つがヒドロキシ基OHに置換された構造をしています。炭素数3のアルコールで、2種類の構造異性体があります。構造異性体とは、同じ分子式で構造式が異なる物質のことです。
1つは1-プロパノール CH3CH2CH2OHです。ノルマルプロピルアルコール(n-プロピルアルコール)という別名もあります。酸化すると、プロピオンアルデヒド CH3CH2COH、プロピオン酸 CH3CH2COOHへと変化します。1-プロパノールはインキ溶剤、塗料などに用いられます。
もう1つは2-プロパノール CH3CH(OH)CH3です。産業界ではイソプロピルアルコールやIPAという名称の方がよく使用されています。酸化するとアセトン CH3COCH3に変化します。2-プロパノールはインキ溶剤、ガソリンタンクの水抜き剤、消毒などに用いられます。
【参考サイト】
三協化学株式会社 HP
1-プロパノールについてはこちら
2-プロパノールについてはこちら
本記事のまとめ
ここまで、メタノール、エタノール、プロパノールの性質について詳しく書いてきました。以下、本記事のまとめです。
メタノール、エタノール、プロパノールの性質と違い
メタノール | エタノール | 1-プロパノール | 2-プロパノール | |
---|---|---|---|---|
化学式 | CH4O | C2H6O | C3H8O | C3H8O |
示性式 | CH3OH | CH3CH2OH | CH3CH2CH2OH | CH3CH(OH)CH3 |
モル質量(g/mol) | 32.0 | 46.1 | 60.1 | 60.1 |
密度(g/cm3) | 0.791 | 0.789 | 0.805 | 0.785 |
粘度(mPa・s) | No Data | 1.074(20℃) | 1.945(25℃) | 2.038(25℃) |
融点(℃) | -97.8 | -114.1 | -124.3 | -87.9 |
沸点(℃) | 65 | 79 | 97 | 82 |
引火点(℃) | 12 | 13 | 15 | 12 |
自然発火温度(℃) | 464 | 363 | 371 | 399 |
常温常圧での様子 | 無色透明液体 | 無色透明液体 | 無色透明液体 | 無色透明液体 |