JIS(日本産業規格)とは何か?実例とともにわかりやすく解説

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colored-pencils 科学

JISって日本産業規格の略語ですよね?

その通りです
以前は日本工業規格という名称でした

JISってどういうものなんですか?

一言で言うと、
製品やサービスの国家標準規格です

本記事はJIS(日本産業規格)に関して、わかりやすくまとめた記事です。この記事を読んで理解すると、JISに関する基本事項を知ることができます。また、身近な製品だけでなく、様々な分野でJISが活用されていることを理解できます。

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JISとは何か?

JISはJapanese Industrial Standardsの略で、日本産業規格といいます。日本の産業製品やサービスに関して、経済産業省が制定している国家規格です。私たちの身の回りにある製品の多くは、その製造方法や製品自体の寸法や形状などがJISによって決められています。対象製品は日用品や産業用品はもちろん、データ、サービスの品質、性能や試験方法など多岐に渡ります。

JISに関しては、経済産業省に設置されている日本産業標準調査会(JISC)という機関が情報提供しており、ホームページから自由に閲覧できます。

【外部サイト】
日本産業標準調査会ホームページ
JIS法についてはこちら
JIS検索についてはこちら

2019年7月の法改正により、日本工業規格から日本産業規格へと名称が変更になりました。時代の変化に伴って、標準化の対象をデータやサービスにまで拡張するためなどが目的です。旧名で慣れている方は違和感があるかもしれませんが、JISという略称自体は変わっていません。

【外部サイト】
経済産業省ホームページ
JIS法の改正についてはこちら

JISの目的

日本産業標準調査会のホームページによると、産業標準化の意義として、下記6つの観点とともに『それぞれの観点から、技術文書として国レベルの「規格」を制定し、 これを全国的に「統一」又は「単純化」することである』と書かれています。

【産業標準化の意義に関する6つの観点】

①互換性・インターフェースの整合性の確保、生産効率の向上、品質の確保
②安心・安全の確保、消費者保護
③正確な情報の伝達・相互理解の促進
④環境保護(省エネ、リサイクル等)
⑤高齢者・障がい者への配慮
⑥研究開発による成果の普及、企業の競争力の強化、貿易の促進

※日本産業標準調査会ホームページ、産業標準化について、より引用

【外部サイト】
日本産業標準調査会ホームページ
産業標準化についてはこちら

世の中には様々な製品、サービスがあります。これらを何の取り決めもなく野放しにしてしまえば、多種多様なものが作られる一方で、それらの秩序がなくなり、製造者、消費者双方にとって不利益が拡大することになります。そこで、国の規格としてJISを制定することにより、ある程度統一し、単純化することができます。

JISマーク

JISマーク表示制度は、国により登録された民間の登録認証機関から認証を受けることによって、JISマークを表示することができる制度です。JISマークがあれば、JISの規格に準拠した製品であることが保証され、消費者も安心して購入することができます。

JISマーク自体は著作権で保護されており、許可なく掲載することができません。JISマークについて詳しく知りたい方は、以下のリンクから参照してください。

【外部サイト】
日本産業標準調査会ホームページ
JISマークについてはこちら

ちなみに鉛筆は、JISに準じているにも関わらず、JISマークを表示されてないそうです。鉛筆業界には伝統があり、技術的に成熟し安定した産業であることが理由だそうです。

【外部サイト】
東京鉛筆組合昭午会ホームページ
鉛筆のJISについてはこちら

JISの例

日用品

トイレットペーパー

トイレットペーパーにもJIS規格があり(JIS P4501)、形状や寸法が決められています。どのトイレットペーパーも形が同じなので、設備を変えることなく使用できるようになっています。もし形状や寸法がばらばらであれば、今使っているホルダーにはまらなくなり、個々のホルダーが必要になるなど、不具合が出てくることが容易に想像できます。

ノート

勉強やメモに使用するノートにもJIS規格があり(JIS S5504)、A4判やB5判など大きさが段階的に決められています。また、中身の枚数や構造、外観などについても規定されており、子供から大人まで使いやすい仕様になっています。

化学分析

科学系の記事を発信するサイトですので、化学分析法に関するJISの例も紹介します。化学分析法や化学分析の際に使用する器具に関する規格が定められています。化学分析に関しては、ある程度実験者の腕も必要となりますが、基本的にはJISに沿って丁寧に進めることで、一定の品質を保つことができます。具体的には、ファインセラミックス用アルミナ微粉末の化学分析方法(JIS R1649)、セラミック用高シリカ質原料の化学分析方法(JIS M8852)、化学分析用白金るつぼ(JIS H6201)などがあります。

まとめ

ここまで、JIS 日本産業規格について、実例を出しながらわかりやすく説明してきました。以下、本記事のまとめです。

<JIS規格 日本産業規格についてわかりやすく解説>

◎JISとは何か?
JIS(Japanese Industrial Standards) = 日本産業規格
日本の産業製品やサービスに関して、経済産業省が制定している国家規格

◎JISの目的
技術文書として国レベルの「規格」を制定し、 これを全国的に「統一」又は「単純化」すること

◎JISマーク
民間の登録認証機関から認証を受け、表示できる

◎JISの例
日用品(トイレットペーパー、ノートなど)
化学分析法、化学分析に使用する器具など

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