炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの違いは?各性質を比較しながら詳しく解説

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炭酸ナトリウムと
炭酸水素ナトリウムって
似てますよね?

名前や見た目は似てますね

違いはないのでしょうか?

いっぱいありますよ
とりあえず重要な9つの項目を
まとめてみました

本記事は炭酸ナトリウムNa2CO3炭酸水素ナトリウムNaHCO3の違いをまとめた記事です。

本記事を理解すると、炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム性質を抑えることができます。また、炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム全く別の物質であると理解できます。

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炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの違い 9項目

大きな違いとして、以下の9項目を挙げてみました。

炭酸
ナトリウム
炭酸水素
ナトリウム
①化学式Na2CO3NaHCO3
②構成元素Na, C, ONa, H, C, O
③モル質量106g/mol84g/mol
④溶解度
(20℃ 水100g)
22g9.6g
⑤融点851℃なし
⑥加熱時の反応変化なし熱分解
⑦アルカリ性の強さ強い弱い
⑧主な用途

ガラス原料、食品
洗剤など
重曹、ベーキングパウダー
ふくらし粉、医薬品、消臭剤など
⑨水和物一水和物、十水和物なし


他にも細かい点で違いはありますが、下表で大きな違いを抑えておけば、混同することはありません。より詳しい内容に関しては以下の外部サイトを参考にしてください、

【外部サイト】
a) Wikipedia 炭酸ナトリウム
b) Wikipedia 炭酸水素ナトリウム
c) Wikipedia ソルベイ法
d) 高杉製薬株式会社 炭酸ナトリウム
e) 大東化学株式会社 炭酸ナトリウム
f) 日経メディカル処方薬辞典 炭酸水素ナトリウム製剤の解説
g) AGC化学品カンパニー 重曹

また、アンモニアソーダ法(ソルベー法)に関しては、以下の記事でまとめています。興味のある方は、参照してみてください。

①化学式、②構成元素、③モル質量

炭酸ナトリウムNa2CO3ナトリウムNa、炭素C、酸素Oから成る白色粉末で、1molあたり106gです。無水物は空気中の水分を吸って、一水和物に変化しやすいのが特徴です。水和物に関しては、⑨水和物の項目で説明しています。

炭酸水素ナトリウムNaHCO3ナトリウムNa、水素H、炭素C、酸素Oから成る白色粉末で、1molあたり86gです。水和物は確認されていません。

④溶解度

20℃で100gの水に対して、炭酸ナトリウムは22g、炭酸水素ナトリウムは9.6g溶解します。2つの溶解度を比較すると、炭酸ナトリウムの方が水に溶けやすく炭酸水素ナトリウムの方が水に溶けにくいことがわかります。

⑤融点、⑥加熱時の反応

炭酸ナトリウムの融点は861℃と高温です。私も強熱した経験がありますが、高温に加熱しても白色粉末のままで、融点付近まで全く変化しません

炭酸ナトリウムはガラスやセラミックなど、高温に加熱してもなかなか融解しない物質を融かす働きがあります。混合することで、融点が下がるわけです。この性質を利用したアルカリ融解法という試料分解法があります。

炭酸水素ナトリウムは、学校で学習するように、融解する前に低温で熱分解し、炭酸ナトリウムと水と二酸化炭素に化学変化します。

【外部サイト】
株式会社ユニケミー
アルカリ融解法についてはこちら

⑦アルカリ性の強さ

炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウムよりも強いアルカリ性を示します。

炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの水溶液がアルカリ性を示すことについて、以下の記事でまとめています。もっと詳しく知りたい方は、リンク先を参考にしてみてください。

⑧主な用途

炭酸ナトリウムは膨張剤やpH調整剤の役割があり、こんにゃく、餃子の皮、ワンタンなどの食品に利用されています。ラーメンに欠かせない、かんすいの原料としても有名です。

炭酸水素ナトリウムは重曹、ベーキングパウダー、ふくらし粉の原料として有名です。重曹はお掃除で大活躍します。ベーキングパウダー、ふくらし粉はお菓子作りや料理に必須の材料です。

【外部サイト】
一般社団法人 日本即席食品工業協会
かんすいの働きについてはこちら

⑨水和物

水和物とは結晶の中に水を取り込んだ化合物の総称です。水和物を形成する化合物とそうでないものがあります。水和物を形成する化合物としては、硫酸銅(II)などが有名です。

炭酸ナトリウムには一水和物(Na2CO3・H2O)と十水和物(Na2CO3・10H2O)が確認されています。無水物は空気中の水分を吸って、十水和物は風解して、それぞれ一水和物に変化します。

炭酸水素ナトリウムの水和物は確認されていません。

まとめ

ここまで、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの違いについて書いてきました。以下、9項目をまとめた表です。これだけ抑えておけば、二つが全く異なる化合物であることが理解できると思います。

炭酸
ナトリウム
炭酸水素
ナトリウム
①化学式Na2CO3NaHCO3
②構成元素Na, C, ONa, H, C, O
③モル質量106g/mol84g/mol
④溶解度
(20℃ 水100g)
22g9.6g
⑤融点851℃なし
⑥加熱時の反応変化なし熱分解
⑦アルカリ性の強さ強い弱い
⑧主な用途

ガラス原料、食品
洗剤など
重曹、ベーキングパウダー
ふくらし粉、医薬品、消臭剤など
⑨水和物一水和物、十水和物なし

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